2002 University Space System Symposium報告書
日本大学理工学部航空宇宙工学科
中村・宮崎研究室
○参加メンバー
修士1年 大川祐輔
修士1年 平城雅隆
学部4年 折戸孝一
学部4年 佐々木一
学部4年 高宮利洋
学部4年 醍醐加奈子
○ 参加目的
現在CanSat, CubeSatのプロジェクトを行っており、これらに関わる日米大学が一堂に会して行われるシンポジウムに情報交換、技術提供、共同プロジェクトに関わり話し合うために我々日本大学は今年University of Hawaiiで行われたUniversity Space System Symposiumに参加した。
○ 現地での状況
【CubeSat】
このBreakout Sessionには東京大学、東京工業大学、日本大学、創価大学、Arizona University, University of Hawaii, University of North Dakotaの7大学が参加した。
CubeSatセッションの冒頭各大学の状況を浅く話す程度に終始した。本格的に話した内容としては大学間での効果的な情報共有、交換について。東大の打ち上げ延期なども踏まえた上で、コンスタントに安定した打ち上げ機会を得るにはどうしたらよいかということ。周波数取得や打ち上げ機会の話では日米で考え方や条件が非常に異なっていた。また、将来ミッションとしてどういったことが考えられるかについて話し合った。
【CanSat】
このBreakout Sessionには日本大学、東京大学、東京工業大学、東北大学、九州大学、創価大学、University of Hawaii、Georgia Institute of Technologyが参加した。
セッションの前半は、来年度ARLISSにおけるcomeback competitionに新たに参加する意志のある、大学にコンペティションのルール説明、参加の為に必要なCansatの製作方法の説明に終始した。セッションの後半は、今年度トラブルの多かったARLISSのロケットのキャリア部分に関する要望を参加大学で意見交換し、又、コンディションをできる限り平等な条件で行う為、新しいルール作りについても話し合った。
【Ground Station Network】
このBreakout Sessionには東京大学、東京工業大学、日本大学、九州大学、University of Arizona, University of Hawaii, University of North Dakota以上7大学が参加した。
内容は終始プロトコル(SOAP)ついて話合われた。東工大を中心に開発が進んでいるSOAPを使用したGround Station Networkの構築概要の説明があり、その後このネットワークを使用する上での問題点を話し合った。その中で特に問題となり議論されたのがデータの所有権と他国の地上局を遠隔操作することに対する法的な問題とどの衛星がどの地上局を使用するかというタイムシェアリングの問題だった。結局解決策は導けず各大学に問題点を割り振り、担当を決め調査してくることになった。
○ 現地で取り決めた作業内容
【CubeSat】
・各大学間でCubeSatについて密に情報を交換できるようなメーリングリストの作成(University of Hawaii)
・情報共有webサイトの設立(Bulletin Board System等)およびこの件に関してのSpace GrantのMr. John Gregoryにコンタクトを取る。(主にUniversity of North Dakota)
・Cal-Polyに打ち上げについて協同許可に関してのコンタクト。またこの件に関して興味のある大学を募る.(主に東京大学)
【CanSat】
・パラグライダCansatの基本的技術を各大学で共有するため、webサイトの立ち上げ、並びに創価大学がメーリングリストをすでに作成しているので、U.Sからの技術的質問に返答を行っていく。
【Ground Station Network】
・ メーリングリスト作成/SOAPのサンプルコードを含んだマニュアル作成(東京工業大学)
・ University of Surreyとコンタクトをとりこの大学ですでに構築されていると思われるGround Station Networks の詳細を聞く(日本大学)
・ ITAR(International Traffic in Arms Regulations:国際武器流通規定)の再調査(University of North Dakota)
・ Santa Clara University とコンタクトを取る[Robot/Tele-operation protocol] (University of Arizona)
・ University of Hawaii にSOAPのインターフェースを構築する
・ Time sharing 問題を解決する(九州大学)
<Collaboration
Projects>
・ 12月20日〜21日に東京工業大学で開催されるコンソーシアムにおいてUniversity of North DakotaがSOAPのプロトコルを使用し東京工業大学のアンテナを遠隔操作するデモンストレーションを行う。