感激のジャイロデータ
語り手:宇井 恭一 (うい・きょういち)
● プロジェクトのハイライト
打ちあがった日は、もちろん嬉しかったですが、一番感激したのは、ジャイロのデータがおりてきて、解析し終わったときですね。この数年、キューブサットプロジェクトに時間とエネルギーを注ぎこんできましたが、その中で、一番感激した、自分にとってのハイライトでした。
なぜって、アンテナが展開したら、その反動で衛星がくるりと回った様子が、4つのジャイロデータからはっきりと見てとれたんです。こういうのって、普通の人からすると、何がそんなに嬉しいの?と思うかもしれませんが、自分にとっては、もう、何よりも嬉しい瞬間でした。東工大としても,CanSat時代も含めてジャイロデータから3軸の角速度を解析できた初のケースだったということもうれしさに拍車をかけました.
センサーは、放出直後に大量のデータをとることになっていました。アンテナが展開して、どのように姿勢が変わるのか、4個のジャイロがしっかり見張っているわけです。3軸を見張ればよいので、3個でもいいんですが、4個あることで、より精度をあげることができます。
● 加速度計
残念ながら、加速度計のキャリブレーションはあまりうまくいきませんでした。微小重力環境に合わせていたので、地上では上手にキャリブレーションができなかったんです。だから、0.1Gのときに何Vになるか、というようなデータはとれないままに、打ち上げてしまいましたから、どこまで正確なのかが不明なんです。前述したセンサーテストでは、各加速度計は反応はしているんですが、ちょっと変な値を出しています。次回は、今回の加速度計の反省を踏まえ、キャリブレーションが可能であるかどうかをきちんと検証してセンサーの設計を行うようにしたいですね。
要するに、地上でキャリブレーションができるような設計にしないといけないということなんだと思います。地上で保証できなければ、宇宙では保証できるわけがないですからね。これはやばいかな、と思ったことは、やっぱり、やばい結果として出てしまうみたいです。
キャリブレーションについて,どこまでやればいいのかは、ミッションとの関わりによると思います。もちろんサボったわけではありませんが,今回は、センサーのためのセンサーだったから、極端なことを言えば、センサーが動かなくても、特に困らないわけですよね。データがとれないというだけで、衛星には支障がありませんから。でも、ミッションと直接からむようであれば、センサーが命とりになりかねません。もっと入念に計画して、きっちりやらないといけないと思います。
そういう意味で、センサー系は今後ますます大変になると思いますが、後輩諸君が頑張ってくれることと期待しています。もちろん、自分も頑張ります。
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