キューブサット打上一周年に寄せて
 ― 開発者・運用者のコメント ―

此上 一也(このうえ・かずや)
あれから1年。早いなぁと思う一方で、よくここまで持ったなぁというのが正直な感想です。打ち上げ当初は、1年なんて思いもせず、「いつまで動いてくれるかな?1ヶ月も持ってくれればいいな」って思ってました。それが、3ヶ月、半年・・・でもう1年ですからね。驚く反面、プロマネとしても、一通信系メンバとしても本当にうれしいです。また、この一年を通して、本当に多くの人たちと出会えたことも大きな収穫です。途中、太陽フレア発生時にひやっとしたときもありましたが、それもなんとか乗り越えられましたし、これからも大事に見守っていきたいです。一周年のささやかなお祝いをしたときに、メンバーの一人がぼそっと言った一言が印象的でした。
「これから,こういう誕生日は何回もくるよ!」
何度でも、きてほしいものです。

中谷 幸司(なかや・こうじ)
まずは、"よくぞロケットから分離してくれた!!"とCUTE-Iに言いたい。
私は、CUTE-Iのコンピュータシステムを担当したが、分離システムも担当した。ロケットから分離できなければ衛星になれないわけで、分離が成功するかどうかは私にとってはCUTEが動くことより重要なことであった。(みんながCUTEの成功を心の中で祈っているときに私は分離機構のリレースイッチが動くことだけ必死に祈っていた。みんなごめん・・・・)
そして、"よくぞ一年間も動いてくれた!!"とCUTE-Iに言いたい。

2004年6月30日
記念すべきCUTE-I打ち上げ一周年の日。
みんなが一周年を祝う、この日。
不覚にも私は体調を崩し、家の寝床でもがいていた。

しかし、なんとか一周年を祝おうと、
パジャマの代わりにUNISECのTシャツを着た。
(CubeSatのTシャツがなかったので・・・・)
家にあったCUTE-I開発資料(回路図集)を枕にした。
21:00過ぎには床についた。
23:00を少し過ぎたころ、目が覚めた。
正確な時間は覚えていない。
でも、多分23:15:26だったのだと思う。


宇井 恭一(うい・きょういち)
「よくぞ1年間生き残ったな〜」というのが正直な感想です。
センサのキャリブレーションのためにクリーンブースで泊り込んでいる時、 分離機構を抱えてモスクワ行きの飛行機に乗っている時、 プレセツクで最後の射場作業をしていた時、 「とにかく一回でいいから地上へ電波を出してくれ!」とは思っても、 「1周年を祝いたいなぁ」などとは微塵も思っていませんでした。 だから、今回こうしてみんなで1周年を祝っていること自体、嬉しい反面、 不思議な感じがします。

一方、予想以上に長く生きたため、運用へのモチベーション、限られたリソース 内での新たな後期ミッションの考案など、衛星を実際に打ち上げて運用してみないと わからなかった課題も見えてきたと思います。
自分も含め,多くの人の人生をも狂わせて突き進んだCubeSatプロジェクト!
今後もより多くの人の人生を巻き込むパワーを維持して発展して行けばいいなと思います。

宮下 直己(みやした・なおき)
CUTE-Iの電源系を担当した者として、この1年はよくぞ動き続けてくれたという感想です。電源系としての設計寿命は、全く動かないか、動いたら約1ヶ月程度という見積もりをしていました。CUTE-Iは良い軌道に恵まれた面もありますが、1年たった今も目立った性能劣化もなく、順調に飛行中です。このままずっと元気に生き続けて欲しいものです。
CUTE-I一周年はあくまで自分たちの時間基準ですよね。地球が太陽の周りを公転する時間として1年。CUTE-I自身の時間感覚っていったらやっぱり地球1周かな?って思います。7/1で地球を約5100周しています。1万周あたりでも祝ってあげたいな・・・。