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IAC福岡カムバックコンペ

2005年10月22日に、福岡で行われたIAC記念カムバックコンペでは、7チーム(内、4チームのみがコンペ対象)が参加し、九州大学と香川大学が優勝を分け合いました。
結果
| CanSat名 | 1回目記録 | 2回目記録 | 備考 |
| 秋田大学 SEVA-2 |
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| 当日のみ参加 |
| 東京工業大学 MoSat | 116 m |
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| 日本大学 A SAROS | 593 m |
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| 日本大学 B CBC-03 | 158 m |
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| 九州大学 WASABI | 45.6 m | 125 m | Report |
| 香川大学 Deep Impact | 59.1 m |
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| 東京大学 M2 | 49 m | 68 m | 当日のみ参加 |
注)秋田大・東大は当日のみの参加
● IACカムバックについて
福岡で開かれたIAC(International Astronautical Congress、2005年10月16日〜21日)の一環として学生プログラムの一環として、カンサットカムバックコンペティションをすることになりました。今回で56回目を迎える会議の中で、学生が会期中に手を動かしてものづくりをするという企画は、初めてのことだそうです。ESA、CSA、JAXA等、各国の宇宙機関が派遣している学生たちに案内を出したところ、37人もの応募がありました。
1週間でゼロから未経験者がカンサットを作り上げるのは無理があります。しかも、参加学生たちの活動時間は限られています。そこで、能代コンペやARLISSに出場した日本人チームのカンサットを提供してもらって、さまざまなバックグラウンドを持つ海外からの参加学生たちとともに仕上げるという形にしたところ、5チームが参加してくれました。
事前の会場下見や準備・運営は、地元九州大学の宇宙機ダイナミクス研究室と学生団体「プラネットQ」の全面的なサポートをいただきました。4年生の鶴田佳宏さんは、九大チームのリーダーをしながら、オーガナイザーとしても大活躍でした。また、成田伸一郎さんと三輪章子さんもオーガナイザー側で陰に日向にがんばってくれました。成田さんは、元UNISECの学生理事で、いまはJAXAのエンジニア。三輪さんは東北大の修士2年で、今年のARLISS優勝チームのメンバー。技術がわかるだけでなく、細かい気配りもできる3人は、立派に黒子役を果たしました。

● 1週間の国際共同作業
16日のキックオフの後、チームごとに作業を開始することになりました。秋晴れのすがすがしい天気をよそに、展示会場の二階の部屋にパソコンや工具類がところ狭しと広げられ、カンサット製作作業が連日行われました。カンサットを提供した日本人学生の面々は、英語でのやりとりに四苦八苦しながら、海外からの参加学生と作業に励みました。中には1人で7人の海外参加者の相手をしているチームもあり、皆さん、相当に勉強になったのではないかと思われます。
1週間という短い間でしたが、放出実験を行ったチームもありました。人通りの少ない早朝に、校舎の窓からカンサットを落とすという、経験者なら誰もがやったことのある実験です。木にひっかかったり、窓ガラスを割ったり、過去にはいろいろ事件がありましたが、今回は無事に落下できたようです。
IACの学生プログラムの一環なので、全体のセッションでの発表の時間もあります。スーツ姿の参加者たちが、プレゼンテーション。
● カムバックコンペの日
22日、朝6時半。最寄駅までバスが迎えにきてくれるとのことで、第一陣が集合。九州大学の新キャンパスは、この駅から車で15分くらいのところにあります。この日のためだけに九州まで飛んできたという秋田大カンサットチームもいっしょにバスに乗り込みました。この1週間、ずっと「カンサット日和」だったのに、この日に限って、雲行きが怪しく、悪いことにかなり強い風が吹いています。昨日までのうららかな天気とはうってかわって肌寒い中、外での作業はつらそうです。
真新しい九大新校舎のプロジェクト室で、チームごとに最後の仕上げをします。強風のため、とても気球をあげられそうにはないので、スタート時刻を遅らせることにしました。その時間を利用して、各チームのカンサットのレビュー。9時過ぎから、秋田大、東工大、日大3年生チーム、日大院生チーム、香川大、九大、東大の順で発表しました。海外からの参加者に発表してもらうことにしたので、大急ぎでレクチャーをするチームも。
10時。GPS取得のために、現地へバスで移動します。
広々とした平地の向こうに山が連なる美しい景色に、歓声があがります。カムバックコンペには絶好のこの場所は、将来、九大のグラウンドになる予定だそうです。目標地点から同心円状に紐をはっていきます。
11時35分。恐れていたことが起こりました。雨が降り始めたのです。冷たい風は相変わらず強く、いったん大学へ戻るという選択肢もありました。でも、雨がやんだらすぐに再開するために、戻らずにその場で待機することになりました。
● 強風の中でのコンペ
12時。なんとか雨があがりました。秋田大がデモフライトを行います。3ヶ月タームでプロジェクトをまわすという方針なので、こういった大会は格好の目標になるそうです。残念ながら、通信はとれなかったようですが、こういう痛い経験を積むことが今後につながっていくことは間違いありません。
東工大のカンサットは、きれいにパラシュートが開いて拍手。日大3年生チームのカンサットは、強風にあおられて、はるか遠くへ飛んでいき、見えなくなってしまいました。木にひっかかってしまったようで、それから落とすのに午後いっぱいを使う羽目になりました。日大院生チームは、落ちるときに強風のせいか、何かがとれてしまったようです。
あまりの強風に、気球を降ろすのも一苦労です。いったん中止して、ランチをとることになりました。2時半に再開しましたが、強風のために珍事続出。九大はパラシュートが放出機構の上から出てしまい、記録なし。放出機構がパラシュートからちぎれたため、香川大は放出機構ごと落ちてしまいました。満身創痍の放出機構は、東大がもう何十回何百回と繰り返し使ってきたもの。応急処置として、ひもでくくって、再度使うことになりましたが、今回で廃棄処分になりそうです。東大は、製作した学生たちは来ておらず、会議に参加した江野口章人さんがマニュアルを見ながらオペレーション。49メートルのところに落ちましたが、コンペ参加の権利はないので、記録にはなりません。
天気が少し持ち直し、風も少しおさまりました。ここぞとばかり、各チームが競って再トライ。このペースで最初からできたら、どんなによかったことでしょう。でも、午後のこの時間、こうやって思う存分できただけでもありがたいことです。見学に来ていた学生団体「宇宙開発フォーラム実行委員会(SDF)」の皆さんが、気球のまきとりを手伝ってくれました。
● コンペ結果
各チームの記録と制御履歴のチェックが始まりました。優勝チームには賞金とTシャツの賞品があります。九大は制御履歴をデータとしては残せていなかったのですが、九大海外メンバーの「ちゃんと制御していた。ビデオ画像が動かぬ証拠だ!」という強い主張もあり、中須賀実行委員長の大岡裁きにより、「九大と香川大の二チーム優勝」ということになりました。このいかにも日本的な解決方法は、どちらのチームにも受け入れられたようで、両チームメンバーが満面に笑みを浮かべた記念撮影が行われました。
コンペ開催の実質的な立役者であった鶴田さんは、無事に終了できたうえに優勝までできて、感無量の様子。
賞金は、匿名希望の方からのご寄付で1000ドル。ちょうどよい具合に、500ドルずつ二束になっていました。記念撮影とハグと握手をかわすシーンがあちこちで見られる中、お別れの時間が近づいてきます。
充実感を得られた人も、悔しさが残る人もいるでしょうが、1週間のミニ国際プロジェクト参加の経験が、これからの人生にプラスになることは間違いありません。
● 謝辞
本プログラムの開催・運営にあたっては、多くの関係機関のたくさんの方々のご協力をいただいています。どんなことでも、実現するには、たくさんの人の手がかけられていることを忘れずにいたいものです。
関係された方々すべてへの感謝をこめて。
共催機関:IAF/IAC2005LOC
協力機関:UNISEC/九州大学/JAXA/ESA/NASA/CSA
(文責:川島レイ)
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